九州ええもん見っけ隊
(更新)
鶏のささみくんせいと純米大吟醸 六十餘洲が奏でる九州の旨味!
九州を旅すると、どの土地にも“旨い”がある。
けれど、その旨さを掛け合わせたとき、思いもよらない調和が生まれることがある。
今回は、鶏文化が根づく宮崎・雲海物産の「鶏のささみくんせい」と、清らかな水と海風に恵まれた長崎・今里酒造の「六十餘洲 純米大吟醸」を合わせてみた。
燻製鶏と日本酒――。意外なようで、これが驚くほど寄り添うのだ。

■燻香が語る、宮崎の鶏
「鶏のささみくんせい」は、素材の持ち味を活かした逸品だ。
真空パックを開けると、ふわりと立ち上る燻香。うす塩味はささみ本来の上品な旨味を引き出し、黒胡椒味はピリッとした刺激がアクセントになる。
どちらも脂っこさがなく、噛むほどに肉の繊維からじんわりと滋味がにじむ。
この潔い味わいなら、純米大吟醸の繊細な香りとぶつかることなく、互いを引き立て合うはずだ。


■酒が誘う、やわらかな余韻
一方の長崎・波佐見町の今里酒造が醸す「六十餘洲 純米大吟醸」は、穏やかな吟醸香と、やさしい米の旨味が特長だ。
香りは華やかだが決して派手ではない。口に含めば、しっとりとした甘味と透明感ある酸が広がり、心地よい余韻が静かに続く。
まるで波打ち際で聴く潮騒のように、飲む人の感覚をやさしく包み込む。
否が応でもそれぞれの味わいが口の中で踊り出す瞬間が待ち遠しい。

■実食レポート!旨い”が重なり、静かに響く♪
まずはうす塩味をひと口。
その瞬間、鶏の歯ざわりと塩のやわらかい輪郭が舌の上で溶ける。
そこに「六十餘洲」を流し込むと、フルーティな酸が鶏の旨味を包み込み、口中に広がる“ふくらみ”が一気に増す。
飲み込むと、わずかに残る燻香と吟醸香が重なり合い、余韻に深い静けさを残す。
黒胡椒味では一転、酒の包容力が試される。
だが「六十餘洲」は辛味をやさしくいなし、後味をきれいに整えてくれる。
まるで会話上手な相棒のように、味の個性を引き出してくれるのだ。

■ささみ南蛮で、もうひとつの出会い
この組み合わせをもう少し遊んでみたくなった。
燻製ささみを使い、鯵の南蛮ならぬ“ささみくんせい南蛮”をつくってみる。
鶏のささみくんせいの味わいをそのままに南蛮風に仕立て、加えて宮崎の特産品であるヘべすを加えることでさっぱり日本酒に合う逸品となった。
南蛮酢の酸味、そして「六十餘洲」の清らかな甘み。
一口ごとに、宮崎と長崎の風景が頭の中で交錯する。
土地の記憶が、味の中で旅をしているようです。
■ 結論「九州を、ひとつの食卓に。」
酒とつまみが呼び合うようにして、九州が一枚の皿の上に重なった。
「六十餘洲」と「鶏のささみくんせい」。
どちらも地元の風土に根ざしながら、互いを包み込む懐の深さを持つ。
静かに盃を傾けながら、心の中で呟く。

六十餘洲(純米大吟醸)
池野酒店万津6区店(日本酒)
所在地:長崎県佐世保市万津町7-5
電話:0956-23-6150
ジャンル:酒類小売業、酒類卸売業
佐世保駅から徒歩で7分ほど
営業時間:10:00~21:00
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。